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親亡き後を考える学習会
2017年4月19日
北九州市手をつなぐ育成会ペアレントスクール
親亡き後を考える学習会
3月15日、ウェルとばた多目的ホールに於いて、河原一雅氏(ひびき法律事務所 弁護士)を講師に迎え、「親亡き後のために 子に何を遺すべきか 」をテーマにペアレントスクールを開催しました。当日は126人の参加がありましたが、参加者が等しく抱えるテーマでもあり関心の高さが伺えました。
河原氏は、「今のところ、親亡き後を安心して託せる制度はないので、親が亡くなる前にいろいろな準備をすることが大切であるという視点で話をします」と前置きをして講演を始めました。
まず、親亡き後様々な課題はあるが、「お金」に関する課題は大きく、「どの程度、子に残せるのか?また残す必要があるのか?」を考える時に、まず親の生活の実態把握とともに、老後の資金計画・収支見通しについても把握することが必須である。さらに障害のある子のキャッシュフロー(お金の流れ)を考えることも大切。特に中・軽度の知的障害者の場合は、本人が自由に活動できることもあり、収入に対して支出の割合が大きくなりがちで、そのマイナスをどう補填するのか。加えて、生活力向上のための訓練も必要である。
次に、成年後見制度の問題点について。障害者を擁護するための制度ではあるが、現在は財産管理に重きが置かれており、本人の障害特性の理解等への配慮が充分であるとは言えない。また制度の理念として「自己決定権の尊重」が挙げられるが、現状は家族や支援者の意向が重視され、本人の意思に配慮した支援提供は厳しい状況である。しかし今後は「どのような障害があろうとも、人にはみな意思がある」ことを認識し、本人の意思を引き出すような支援が重要であり、親亡き後を考える親が率先して行わなければならない。
最後に、親亡き後の本人の生活を支えるには、本人を中心として多くの支援者がネットワークをもち、情報交換を行い、安心した地域生活を送るための支援体制づくりが望まれる。個々の家庭のニーズ調査や専門的な見守り体制の構築等の行政が果たすべき役割も指摘して講演を終えました。
参加者から、福祉信託について、支援体制づくりに親の会はどのように参画すればよいのか、親として何をすればよいのか、成年後見人をどのタイミングでつければよいのか等の質問がありました。
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