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旧優生保護法・強制的不妊手術に対する検証会 報告書を受けての意見表明
2019年2月7日
旧優生保護法・強制的不妊手術に対する検証会 報告書を受けての意見表明について
北九州市手をつなぐ育成会
会長 服部 栄子
全国手をつなぐ育成会連合会は、旧優生保護法および強制的不妊手術に関するこれまでの育成会の対応について検証を行い、知的・発達障害当事者の権利擁護を進める団体として検証内容を踏まえて以下のように意見表明を行いました。
2018年12月10日
旧優生保護法・強制的不妊手術に対する検証会 報告書を受けての意見表明
全国手をつなぐ育成会連合会
会長 久保 厚子
旧優生保護法下における強制的不妊手術は、意思に反して手術を強いられた障害のある人それぞれの人生に取り返しのつかない傷を残しました。当会としては、国に対して、優生思想に基づいた誤った施策の責任を認めて謝罪するとともに、その被害の回復を速やかに行うよう求めています。一方で、育成会がこの強制的不妊手術の問題にどのように関わってきたのか検証することの必要性も認識しています。そこで、当会の運動体の象徴であり意見や姿勢を表明する媒体でもある機関誌『手をつなぐ』の記事内容を検証し、旧優生保護法および強制的不妊手術にどのように向かい合い、当会としてどのように体応してきたかを明確にしたいと考えました。
このような視点から知的・発達障害当事者の権利擁護を進める団体として自らの過去を振り返り、今後私たちに求められる活動や働きかけはどのようなものなのか真摯に検討していくため、育成会運動に見識のある第三者の協力を得て検証会を発足させ、検証をお願いしました。
この度、検証会より報告書が提出されましたので、検証内容を踏まえて改めて会として意見を表明します
検証では、以下の報告を得ました。
○機関誌『手をつなぐ』の関連記事からは、育成会が強制的不妊手術の実施を助長したことは否定できず、こうした過去があったことは率直に反省し、こうした歴史を繰り返さないために必要な活動や取り組みについて会としても真摯に検討すべき。
○一方で、旧優生保護法の制定に知的障害者の親や家族が積極的に関わったり制定を求めたりしたことは認められず、強制的不妊手術についても当時の優生思想や産児制限施策のなかで「合法」とされ、社会的支援のない中で、様々な要因も相俟って、障害者本人の意思を無視するかたちで不妊手術に追い立てられたと考えられる。
これを受けて会としての意見を表明いたします。
① 過去に当会機関誌の記事が強制的不妊手術の実施を助長した結果、不妊手術を受けるに至った知的障害当事者がいた可能性があることについて、会として真摯に反省し、当事者・ご家族の方々に必要な支援を可能な限り行います。
今後は例え国の施策によるものだとしても、人の尊厳を傷つけるような行為に対して無自覚な行動を起こさないよう戒めます。
② 国には誤った施策の責任を認め、謝罪と被害の回復を行うことを改めて強く求めます。あわせて、国による賠償などが行われた場合に、その被害回復策が手術を強制された当事者やその家族にとって実効性のあるものになることを求めます。全ての被害者および被害を受けた可能性のある当事者やその家族等に可能な限り国から呼びかけを行い、被害の回復につながるよう積極的な救済支援を行って下さい。
③ 会として相談窓口を設置します。本会には全ての都道府県と8つの政令指定都市(さいたま市、千葉市、川崎市、名古屋市、大阪市、神戸市、北九州市、福岡市)に支部があり、それぞれに窓口を設けて相談を受け付けます。合わせて、手術を受けた方でお困りの方、救済支援の手続きの仕方が分からない方などへの支援を行います。その際には、日本弁護士連合会や日本知的障害者福祉協会、日本相談支援専門員協会等の協力を頂き、連携も図っていきます。
④ 障害者の性をめぐる問題をタブー視する風潮に対して、積極的に理解啓発を行っていきます。知的障害者の恋愛・結婚・出産・子育てに関して、その支援となる福祉サービスの充実を求めていきます。また、特に文部科学省には障害者への性教育の推進を求めるとともに、現在取り組みが進められている障害者の生涯学習の一環として性について学ぶ機会の創出を後押しするよう求めます。
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