育成会について

ペアレントスクール

29年度 育成会ペアレントスクール

意思決定支援について学習会

 

 ペアレント 303月19日、ウェルとばた多目的ホールで、大塚晃氏(上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授)を講師に迎え、「障害のある本人の意思に寄り添うとは」をテーマにペアレントスクールを開催しました。当日は会員等66人の参加がありました。大塚氏は、国立のぞみの園の指導員から厚生労働省専門官を経て、上智大学教授職に至るという経歴をお持ちで、自身も障害のある子どもの親でありその視点も加えて障害福祉政策に関する講演を数多く行っています。昨年8月に開催された九州地区手をつなぐ育成会佐賀大会に於いても、記念講演をされました。

 今講演は、家族の紹介から始まりました。

 行動障害とは、障害のある人が自分の気持ちが伝えられないことが基本にあって、関わる側がそうした要求や気持ちを理解しようとしないときに示されるもので、『抗議』行動と考えられる場合も多い。自閉症の息子は、グループホームで行動障害をおこし、退所となり、自宅へ戻った時は荒れた行動があったが、1ヶ月後には落ち着き、3年経つが問題行動もなく生活している。支援する側の接し方に影響されると言える。

 支援する側の見解として、リフレーミング(同じことを体験しても、人それぞれの価値観という枠組みで判断するが、その枠組みを取り換えて、別の肯定的な視点から見るようにすること)で、障害のある人の行動を肯定的にみることで本人を変えようとするのではなく、支援する人が変わることが大切。そして見方を変えることで、支援する側にも心の余裕ができる。また、意思決定支援の仕組みは、本人を中心に意思決定支援責任者(相談支援専門員)、意思決定支援会議(第三者をいれることが大切)、意思決定支援計画書作成の三つの領域がうまく機能すれば、知的障害の人にとってよりよい支援となる。さらに、重い人の場合には、親が、本人の今までの人生、これからの人生、家族も含めたこれまでの生活の全体像を記録した本人の「物語」を作成して関わる人に伝える必要があると指摘して、講演を終えました。

 親としての視点を踏まえての話を聞き、多くを学んだ学習会でした。

 

 

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